平安時代への偏愛を綴ったエッセイ本。
ーーわたしを支えてくれたのは、平安時代に生きた人びとだった。現代において、感情を晒けられる場面は少ない。どうしても泣きたくなる夜だって、“人に迷惑かけちゃだめだ”とか“こんなことで泣いてるなんて幼すぎるんじゃないか”とおもってしまう。そうして、感情を抑え込んでしまう。そんなとき、救ってくれたのは、彼ら彼女らの素直すぎる言葉だった。
桓武天皇、在原業平、紫式部、崇徳院…
平安時代を生きた人びと。約千年のときを超えて。
いろんなことが過ぎ去っていくし、どうしても変わらずにはいられないけれど。無常に時は流れていくけれど。ちゃんと存在したんだよ、という証として、彼ら彼女らの言葉は残っている。
あなたと分かち合えたら。
あなたに届きますように。